借金まみれになり、この状態を案じて、沢山の方が応援して下さいました。新しい勤務先として、高山市で一番歴史のある「高山観光ホテル」を地元の大手会社の社長が紹介して下さいました。
このホテルを紹介して下さった社長は、このホテルの非常勤役員で、低迷する業績を心配し、私を支配人として紹介されたのです。
それまで、色々な業種の再建に取り組みましたが、ホテルは初めてです。このホテルの社長は、高山市の名誉市民で年齢は90歳を超え、誰からも一目置かれる方でした。
紹介して下さった社長と面接に行きますと「下裏君。幾つや」「36です」「若いなぁ!孫の年代や。市内にはホテルが増えて、集客が難しくなった。ここの支配人になって、若い力で再建してくれ。頼むぞ!」と言われ、その日から勤務することになりました。
まず、投書箱に入っていた投書を読んで見ますと、眼を覆いたくなるような事が書いてあります。「部屋の壁紙が破れている。エアコンの音が喧しい。料理の器が欠けている。接客態度が悪い」など沢山ありました。
さて、何から手を付ければ良いのか?まず部屋や料理のお皿など、形で見える物の確認することにしました。そして平日を利用して、全ての部屋で泊まり、確認することにしました。
苦情とは 宝物とは 思えども
その内容に 一歩退き
続く