飛騨ぶり 

飛騨には海がありませんで、「鰤」は獲れませんが、長野県松本市方面に行くと「飛騨ぶり」として「鰤」が売られています。

何故「飛騨ぶり」となったのでしょうか?それは北陸と飛騨を結ぶ「越中街道」にあります。富山湾で獲れた鰤が、高山の市場で塩漬けにされ「飛騨ぶり」として「ああ!野麦峠」の舞台となった野麦峠を越えて運ばれたのです。

明治維新で飛騨は天領から「筑摩県」となり、松本市が県庁所在地になりました。こんなご縁からでしょうか?飛騨ぶりが生まれたと考えます。

想像を絶する雪深い野麦峠を越えて、飛騨ぶりが運ばれ、信州の人々のお正月のご馳走になったと思うと、この飛騨ぶりが神々しくさえ見えて来ます。

今年もこの飛騨ぶりが店頭に並んでいます。家内に「今年の鰤は?」と問いますと「二人だけの年取りだから鰤のしゃぶしゃぶ」との答えが返って来ました。懐かしい塩ぶりではなく生の鰤でした。

又今年も、この「飛騨ぶり」で元気に年を越せることに感謝しております。

  塩ぶりが  峠を越える  足音に

   野麦の里に  唄が響きて

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高山市のスーパーで売られている「飛騨ぶり」です。