野良猫

私が住んでいる家の周りには沢山の野良猫がいます。時には「ニャン。こんにちは」などと猫言葉で挨拶して家の中まで入ってきます。
子供頃、隣の猫が余程私の家が気に入ったのか?隣の家に戻しても私が帰る前に、もう玄関で待っています。何十回か連れ戻す内に隣の方から「チョン子を宜しくお願いします。」と言われ、我が家の住人になりました。
チョン子は真っ白な毛で眼は金銀の綺麗なメス猫でした。おとなしい性格で家族全員から愛され、特に母に懐き、母が何処に出かける時は玄関まで送って出ました。もう母はこんなチョン子に眼は無く「チョン子、チョン子」と父が羨む程可愛がっていました。
こんな経験から猫は嫌いではありませんが、野良猫に餌をやることは決してしません。しかし春になると小さな赤ちゃんを連れた野良猫を何匹か見かけます。どの様にして餌を獲、何処で子育てをしているのか?その生命力に唯々頭が下がる思いです。
現代はペットブームで犬や猫に服を着せ、運動不足や過食などで丸々と太り、高い治療費を払い、おまけに葬儀まで。いやはや野良猫とは天と地の違いです。しかし猫、犬にとって何方が幸わせでしょうか?猫や犬に聞かなければ分かりませんが、ひょつとしたら人間のわがままに飽き飽きしているかもしれません。
今朝も野良猫に「おい。元気か?」と声をかけ、母に戯れるチョン子の姿を思い出しました。この野良猫の生き方から逞しく生きるためのヒントを頂きました。
「野良猫に 母とチョン子が 走馬灯」