「“まめなかなぁ”方言は郷土の文化の誇り」

『飛騨では出会うと“まめなかなぁ(元気ですか?)”の挨拶から始まります。私は飛騨市河合町天生生まれ、神岡町育ちの根っからの飛騨人です。このことから飛騨弁は決して抜けませんし、飛騨弁は大好きで誇りにと思っています。

仕事でも「社長。これは飛騨弁ですよ。」と私が書く文章に対し、よく社員から注意されますが、そのことに全く気付かずに書いています。書く文章が飛騨弁ですから、正に研修でも、講演でも、日常会話でも飛騨弁が氾濫します。

こんな失敗もしました。十数年前、奈良近鉄の駅で過労で倒れ、病院に運ばれました。その時飛騨弁で「てきない。てきない。」と無意識の中で言い、気がつくと先生から「てきない。とは、どんな症状を言いますか?」と聞かれ「飛騨弁が通じないのか」と苦笑しました。

私は、北海道から九州まで、全国各地で講演活動をしています。初めて講演をしたのは、今から18年前の平成3年3月5日で、場所は富山県糸魚川市糸魚川商工会議所主催のセミナーで、講演時間は3時間でした。

この講演で、経営コンサルタントとしての道が、開かれるかどうかの分かれ道になると考え、3時間の講演原稿を何回も書き直しました。そして毎日夜遅くまで、客間で練習しましたが、母が心配そうに、時々客間を覗きに来ました。1回3時間になりますから、時には気づくと夜が明けていました。

今は、何百回という経験を積んだおかげで、講演で戸惑うことはありません。しかしどれだけ回を重ねても、どうしても飛騨弁は抜けません。方言はその郷土の文化と捉え、これからも飛騨弁で、全国各地を語り歩きたいと思っています。』