「アクも個性のうち」

『「下さんはアクが強い」とよく言われます。なぜ私がアクが強いのか、その意味がよく分かりませんでした。そのアクを辞書で引きますとこのように書いてあります「人の性質・言動や表現などに感じられる、しつこさ・しぶとさ・どぎつさなど。」とあります。甥っ子に私の個性を尋ねますと「物怖じする社長の姿を今まで見たことがない」とのことです。実はこの言葉に私自身驚きました。
私の子供の頃を振り返ってみますと小・中・高校生の頃は余り目立たない生徒でした。その私が物怖じしなくなったのは30代中頃で専務・社長を経験した時からだと思います。「会社のトップとして物事を決断しなければならない」その重責が自然に物事に動じなくなったのではないかと考えます。
先日、Newsweak日本版の新年合併号(12/30、1/6号)の記事の中にアメリカのヒラリー・クリントン国務長官とそしてヘンリー・キッシンジャー国務長官のインタビューが載っていました。その中に「(アメリカ)政府が抱える難問の1つとは、緊急課題と重要課題を見極め、緊急課題のせいで重要課題をおろそかにしないことだ(キッシンジャー)」「ヘンリーの発言に付け加えるとすれば、緊急課題と重要課題を見極めるとともに、今は緊急でも重要でもない問題が来年や再来年にはそうなることもあり得る以上、長期的傾向にも目を向けなければならない。そのためには、別種のスキルが必要だ(クリントン)」とありました。企業経営においてもこれと同じことが言えます。緊急課題ばかりに目を向けていると、重要課題を見過ごすことにもなりかねません。又、長期的展望に立って真の重要課題は何かを的確に見極めなければなりません。
私はアク(個性)とはその人に与えられた無形財産であると考えます。この無形の財産をどのようにして良い方向に活かしていけばよいのか常に考え、挑戦していくことが大切であると考えます。このことから私自身のアクをよりしっかりと見極め、物事に動じることなく多くのお客様のお役に立てるよう、この個性を大いに活かしていきたいと思っております。』