「人生は出会いで決まる」第14回

『このファッションショーで、つくづく中国の国民性を知りました。前日になっても、社員だけはワイワイガヤガヤ祭り気分ですが、準備の話しは何もありません。私は本当にファッションショーが出来るのか気を病みました。そして当日会場に行って、目を見張りました。私の心配は中国の国民性を知らない取り越し苦労でした。正面玄関、舞台には大きな看板が取り付けられ、照明器具までセットされていました。担当者に「何時準備したのですか?」と尋ねますと「昨夜遅くまでかかって準備しました。総経理これで宜しいですか?」「ありがとうございます。素晴らしいファッションショーになります。」この一言で又一歩中国の中に溶け込むことができました。

そして開演です。自分達が作ったスーツやジャケットを着て、綺麗にお化粧した社員がステージに現れますと、館内には「ドォ」とどよめきが起こりました。自分達が作っている製品を仲間が着ている姿を見て、肝を抜かす程のショックを受けたのです。ショーは、約2時間にわたり行いましたが、それは飽きることのない素晴らしいファッションショーでした。』