73. 保証人

友人は諸事情があり一人暮らしでした。この保証人の話しになると病院長が一枚の紙を出されました。そこには保証人の役割として「入院費用などの支払い・亡くなられた時の遺体引き取り」などがあり、初めてのことで少し保証人になるか?迷いました。しかし友人の嘆願する眼を感じ「分りました。保証人になりますので宜しくお願いします」と頭を下げました。

年が明けると入院し抗がん剤治療が始まりました。2回目の投与が終わると担当医から「この抗がん剤は効きません。今新たな抗がん剤を探していますので暫くお待ち下さい」とのことでした。しかし残念ながら抗がん剤は見つからず、X線治療に切り替えることになりました。このX線治療に入る前に間質性肺炎を患い右の肺が機能しなくなったのです。この時は余命2週間と言われ親族の方にも連絡し、死を覚悟しましたがそれは乗り越えることが出来ました。

それからX線・ステント治療を行いましたが効果はあまりなく、4ヶ月が経過した9月半ばに急に容態が悪化したのです。その時は食道がんが転移し、癌性リンパ管症が発病し治療は不可能な状態になりました。担当の先生からは「余命は2週間です」と宣告されたのです。それからの2週間が大変でした。何故なら癌が凄く痛み出したのです。