「企業活性化について考える:役割を樽で見ると」第4回

swnm82011-10-02

 今日は樽式活性化法の「役割の樽」について説明します。その役割の樽とは次の図の通りです。「酒造りの総責任者である杜氏:経営者」「樽:企業」「味・コク・切れなど杜氏の力量が問われる酒:商品・製品・売上高・サービス・利益・信用・企業文化など」「樽の根幹をなす側板:社員・職員」「側板を締める役割を担うタガ:管理職・役付者」「酒の味を守る役割を担うフタ:就業規則・職務規定など」「側板と側板を繋ぐ役割を担う外からは見えない竹釘:信頼関係」「樽の大きさを決める底板:資本金・自己資本」「側板の長さ:社員の意識」「側板の幅:社員の貢献度」「側板の厚み:社員の知恵」です。



  

 第一回全社員研修で、実物の樽を使い役割の説明を行います。この中でこんな質問をします。「皆さんの側板は、このように短くないですか?」この質問に対し、顔を伏せたり、考え込んだりと会場は重苦しい雰囲気になります。これが意識改革の始まりです。

 そしてとどめは3人から5人で組立式の樽の組立です。実際に側板・タガなど樽の部材を手で触れ、側板の長さ・竹の反復力などを体感します。「眼で形として見る平面的に知ることから、一歩進んで肌で感じ立体的に知ること」で一生樽が心に焼き付きます。杜氏である経営者は、経営者としての役割を改めて考えるよい機会にもなります。次回は「やっと一筋の光が」です。