「日本人はあばら屋に?:行政の樽の課題とは?」第五回

swnm82011-09-14

 今日は行政の樽の課題について考えてみます。行政の樽の課題は「本来大臣が担うタガの役割を官僚が一部担っていること」」です。なぜタガの一部を官僚が担わなければならないのでしょうか?。

 その要因の一つは「タガになる人の政治家としてのプロ意識と管理能力などの欠如にある」と考えます。それを生み出しているのが、政党の議席確保を目的としたスポーツ選手・芸能人など知名人の推薦・当選です。全く政治に関わりのなかった人が「行政のプロ、官僚のタガになること」はまず不可能です。

 少しこの行政のタガを振り返って見ますと「自民党政権は長期政権による官僚との癒着、民主党政権政党としての未熟成さが、官僚によるタガの役割の補佐現象を生み出している」と考えます。しかし官僚によるタガの補佐がなければ、行政の樽はタガが外れ崩壊する可能性も秘めています。ここが大きな問題です。 
 この問題は、まずタガの重要性を理解することです。「タガとは何か?、その役割とは何か?」をしっかりと知らしめることです。企業においてこの役割を担っているのが、部課長などの管理職と言われる人達です。

 実際の樽のタガで説明しますと、タガに使用される竹は、約3・4年ものです。5年以上経過した竹は柔軟性がなくなり、硬くなることから使用されません。特にタガに使用される竹は、川沿いに生え、風雨にさらされたのが良いとのことです。人間の世界も、竹の世界も厳しい環境で育ったものが役立っと言えます。

 樽の側板・蓋・底板に使われるのは、一般的に椹(さわら)と云う常葉樹です。タガは竹ですが、この竹は椹(さわら)と違い反復力を持っています。この竹が持っ反復力こそ「責任と権限」です。このタガになる人に求められるものは「竹は節で決まる」と言われるように節度と風雨に耐え、雪の重みもはねつける強い精神力です。叉「樽はタガの強度で決まる」も言われますが、、行政の樽も全く同じです。この他「タガは上から落ちる」とも言われます。その意味は「酒の量が減少すると、上のタガは側板の乾燥が進むことでハズれる」と云うことです。このことは企業の樽でも同じことが云えます。
 この樽式衣食住活性化法の目的は「住・行政の樽」などの不備を責めるものではありません。目的の一つは「樽と云う形で政治の仕組み、その現状を知り、考えること」です。2つ目は「日本が21世紀の世界に果たさなけばならない役割」を考えて見たいからです。次回は立法府「立法の樽」です。

      青竹の 雪の重みを はののけて 天へとのびる 姿勇まし
                                  祐司