77. 経営者研修 ⑴ 軍師

経営コンサルという仕事を私は「軍師」と考えています。織田信長に仕えた竹中半兵衛豊臣秀吉に仕えた黒田官兵衛など沢山の軍師がいます。この軍師は先頭に立って戦いをするのではなく、後方にいて戦いを有利に導くために戦略と戦術を立てることが大きな仕事でした。経営コンサルの仕事もこれとよく似ています。しかし中々難しいことは、どれだけ素晴らしい戦略や戦術を立てても、それを命令する総大将の力量と人望がなければ、この戦略も戦術も無になってしまいます。特に戦いをするのは現場の兵士であり、この兵士の士気が高くなければ戦いに勝つことは出来ません。

経営コンサルとして独立してからは沢山の歴史小説を読み、戦略とは何か?戦術とは何か?を学びました。そして行ったのが「経営者研修」です。毎月1日研修を1回計12回行いました。ここで大いに役立ったのが社長という経験です。時には大失敗もしました。一番大切なことは失敗を失敗として終わらせるのではなく、何故失敗したのか?失敗の原因をはっきりさせ次に活かすことが大切です。

経営者研修ではこの「失敗を恐れないこと」の大切さを学んでいただきました。何故なら失敗を恐れない社員を育成することこそ企業発展の原点だからです。失敗に恐れない社員を育成するには、トップが失敗を恐れないことです。そして社員を信頼し任せる覚悟が必要になります。この任せるトップの覚悟の度合いが社員のトップへの信頼度にも繋がります。経営者研修ではプライドが高い経営者をまず叩き壊さなければなりません。何故ならプライドという上から目線を取り払わなければ、部下との信頼関係は決して生まれないからです。

「組織風土診断」はまず活性化研修に入る前に行います。この風土診断とはそこで働く人達の「職場環境と精神的な満足度」を測るものです。多くの企業の活性化に取り組んだ経験から言える事は「組織風土は業績に比例する」ということです。この組織風土診断の点数が低いと業績も悪く、この点数が高くなると業績も比例して上がって来ます。私はこの組織風土診断は、「退職率の割合を測る物差し」とも捉えています。