「笑顔は人生を拓く宝刀なり」


『今年の5月、知人のお店の改装祝いに“笑顔は人生を切り開く宝刀なり”と私の造語を色紙に書き、額に入れて贈りました。それを先日、先代まで関の刀匠であったというお客様が、この色紙を見て、「“切る”を取って“笑顔は人生を拓く宝刀なり”とされればどうですか。」との助言を頂きました。今思えば、同様のことを社員にも言われました。聴く耳を持たなかったことを恥じています。

そのお客様の助言に“ハッ”としました。「刀は切るために打つのてはなく、鉄に魂を吹き込み、その刀を持つ人を守る、正に宝刀ですから。」私がこのお客様の言葉に特に共感したのは、私自身20代後半に刀剣に興味を持ち、備前長船清光という古刀を持っていたからです。

先日あるテレビの番組に、関の刀匠の方が出て見えました。「今までに満足された刀は何振りありますか?。」との質問に「満足する刀はありません。満足とはもう成長しないということですから。」とさり気なく言われた言葉に、胸に突き刺さるものを感じました。改めて多くの方々から助言を頂けることを感謝し、決して我を張らないようにしなければと心に誓いました。

そして、このお客様の助言に従い“笑顔は人生を拓く宝刀なり”に変えました。今回の件で改めて刀匠という鉄の魂と刀匠の魂との闘いの凄さ、言葉使いの重さを知ることができ、素晴らしい出会いに心から感謝しております。』