新潟県の糸魚川商工会議所からの講演は来ましたが、その準備を全くしていませんでした。早速、手書きで原稿を作成しましたが、その枚数は原稿用紙で120枚になりました。
さあ!これを原稿無しでどう講演するか?俳優さんが台詞を覚える心境です。客間で、家内を講演の参加者に見立て、夜遅くまで練習しました。隣の部屋で寝ていた母が、心配そうに覗きに来たことが、今も忘れられません。
この時考えたことは、一方通行の講演ではなく、参加型の講演とするにはどうすればよいのか?です。そこで閃いたのが「樽の組み立て」でした。
早速、高山市内の桶屋さんに行き、組み立て式の樽を30個依頼しました。この組み立て式の樽が大評判を呼びました。
糸魚川商工会議所では「樽の組み立ては初めてです。其々の役割がよく理解出来ました」とお褒めの言葉もいただきました。改めて一方通行ではなく、参加型の講演の大切さを思い知りました。
このことを母に報告しますと「やっと!お父さんの願いが叶ったなぁ」と本当に嬉しそうでした。この時の、母と家内の笑顔は、今も忘れられません。
この樽を組み立てる講演は大評判となり、新潟商工会議所を皮切りに、各地の商工会議所から、講演依頼が来る様になりました。講演が終わると、質問の時間と共に、個別相談の時間も設けました。この個別相談に毎回3人程あり、多い時は10人を超えました。
この個別相談では「是非、今晩泊まって相談に乗って下さい」との依頼もあり、その相談から活性化の仕事をいただくことに繋がりました。講演から本業の企業活性化への道が広がったのです。
講演は北海道から九州まで、全国に広がり、講演数は年間に100回を超えました。
講演は 樽が主役で 和(輪)をつくり
樽の香りが 人を和ませ