卒業 18. 落ちこぼれ

活性化を進める上で、一番気を使うのは「落ちこぼれ」を出さないことです。この「落ちこぼれ」とは「活性化研修について来れない人やパワハラに会っている人のこと」です。

独立して初めての研修で、一人の従業員が、「パワハラ」でやる気を無くし、退職したいと言って来たのです。この「落ちこぼれ」を、どう解決すればよいのか?悩みました。

沢山の不良品を生み出す要因は「社長不在」と、もうひとつは「機械の点検・管理が出来ていないこと」でした。この従業員にヒアリングをし「機械管理の担当をしないか」とお願いしました。

特に強調したのが「掃除が行き届かないために汚れた機械、点検が定期にされていないために起こるトラブル」など、機械管理の大切さを話しました。何回かの話し合いをする内に、機械管理に興味を持つようになり、機械管理の担当を引き受けて来れました。

毎朝、7時に出社し、2人でまず機械の掃除から始めました。汚れていた機械が段々と綺麗になって行きます。最初は白い眼で見ていた従業員も、綺麗になって行く機械に、この従業員を見る眼は変わって行きました。

不思議なもので、機械が綺麗になると、従業員の意識も変わり、毎朝、全員で工場の掃除と機械の点検を行うようになったのです。

2ヶ月もすると機械は綺麗になり、担当者別の機械点検システムも出来上がりました。この頃から不良率は大幅に下がり始め、毎日の生産計画と不良数・不良率をグラフ用紙を利用し、工場内に掲示するようにしました。それもまた従業員の意識を変える大きな効果がありました。

この時、気付いたことは「従業員の中に飛び込み、一緒になって仕事をすること」の大切さを思い知りました。

  落ちこぼれ 誰も食べない 落ちた柿

    熟して美味い  柿も売り物

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新酒が出来たことを知らせる「杉玉」を撮りました。